都教育委員会では、日本型教育の体験や日本文化、東京の暮らし等に触れることができる外国人留学生の受入事業「東京体験スクール」を実施しています。
 その第二回として、令和元年12月7日(土)から18日(水)までの12日間、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、台湾から生徒60名、引率者10名を受け入れました。

【事業概要】

●時期
 令和元年12月7日(土)から18日(水)まで(計12日間)
 学校滞在は、日曜日を除く12月9日(月)から17日(火)まで(計9日間)

●派遣元国・地域
 カナダ ブリティッシュ・コロンビア州、オーストラリア クイーンズランド州・南オーストラリア州、
 ニュージーランド、タイ、台湾 台北市・高雄市

●受入形態

・留学生は、原則受入校生徒の自宅にホームステイ

・バディ(ホームステイ先の日本人生徒)と共に学校に滞在し、授業への参加、部活動や 掃除等の日本型教育を体験

・滞在中に、国立能楽堂での能体験ワークショップや原宿散策、江戸東京博物館への訪問を実施

・都立校生と留学生による第一回高校生国際会議を実施


来日2日目に、留学生に対するオリエンテーションを都内二箇所で実施し、日本に滞在するうえで必要なことを確認しました。留学生達は、一人ずつ日本語で、自己紹介を行いました。

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その後、留学生はそれぞれのホストファミリーと対面し、ホームステイ先へ移動しました。東京滞在中の留学生達の様子を、各受入校の先生方にご執筆いただいたので、御紹介します。


●白鷗高等学校・附属中学校

今回はオーストラリア、クイーンズランド州より10名の女子生徒を迎えて「白鴎STEAM Program」を実施した。ホストと学級での授業に加え、生物、数学、現代社会でのCLIL授業を実施した。

また、音楽では三味線の授業、日本伝統文化の授業をもつ白鷗高等学校ならではの「囲碁」「将棋」「書道」の授業に参加。授業バディの支援を受けて、日本の伝統文化を体験した。茶道部で抹茶を味わい、白鴎の留学生受入ボランティアグループ「白鴎ともだちプロジェクト」の生徒が企画した留学生への「浅草観光ツアー」に参加して日本文化を満喫した。

留学生には自己紹介、文化や生活の紹介、学校の学びなどをまとめたCD-ROMによる発表をお願いした。授業中の楽しい交流に役立った。歓迎セレモニー、Farewell Tea Partyを白鴎友だちプロジェクトが準備・運営し、最後は“Certificate of Participation” (参加証)を送った。

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数学CLILの授業風景
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生物CLIL授業
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12月11日(水)浅草寺観光ツアー

●石神井高等学校

夏に行われた第1回に続き、第2回東京体験スクールには、台湾から2人の留学生が来てくれました。体育館での歓迎式では、英語と時折日本語も交えて、自己紹介を行ってもらいました。また、1年生の音楽選択の生徒達による、校歌斉唱もありました。
 授業においては、陶芸体験や書道体験、家庭科の授業での巾着製作等を行い、日本の文化に親しみました。放課後は茶道部、女子バスケットボール部の練習に参加しました。
 また、週末には第1回 高校生国際会議にも参加しました。分科会では、世界各国から本プログラムに参加した高校生たちと共に、活発に意見交換を行いました。
 最終日に行われた、生徒会と英語部主催の送別会では、様々なゲームや懇談を通じて、本校生徒たちとふれあい、名残を惜しみました。
 およそ10日間弱の短い滞在でしたが、台湾から来た2人が、将来日本と台湾との夢のかけ橋になってくれることを期待しています。

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●井草高等学校

受け入れ留学生の出身地、性別、学年
出身地等 性別 学年
オーストラリア クイーンズランド州 2年
カナダ ブリティッシュ・コロンビア州 1年
カナダ ブリティッシュ・コロンビア州 2年
カナダ ブリティッシュ・コロンビア州 2年
カナダ ブリティッシュ・コロンビア州 2年
台湾 台北 1年
台湾 台北 2年
台湾 台北 2年

3か国、計8名の留学生を迎え入れました。全員女子生徒であるのは、ホストファミリー受け入れの生徒が全員女子だったためです。台湾から来た生徒とも英語でコミュニケーションをとりました。コミュニケーションツールとしての、共通言語としての「英語」を肌で実感できる機会になりました。また、発音についてもネイティブスピーカーとノンネイティブ、さらにカナダとオーストラリアのアクセントと、発音の多様性を感じられる機会になったと思います。また、台湾の生徒との英語の交流では、同じ英語ノンネイティブではありながら、流暢に話す姿などを見て、生徒たちは刺激になったと思います。
 バディ役の生徒はもちろん、多くの生徒が留学生受け入れのために入念に事前準備を実施し、おもてなしを実践しました。英語が苦手なバディや生徒もいましたが、文法等が間違っていても意思疎通ができるということ、そして正しさよりも伝える気持ちと姿勢の方が大切であるということを実感していました。そして、生徒たちは、もっとコミュニケーションを取れるようになるために、英語を勉強しようという気持ちをもつようになりました。
 ホストファミリーの方々で、文化の違いを不安に思っている方もいらっしゃいましたが、その違いを踏まえた生活を体験できてよかったという感想をいただきました。また、普段なかなか見聞きする機会のない子供の英語やコミュニケーション力の高さを垣間見られて良かったという声もいただきました。

滞在中のスケジュール
日時 イベント
12月9日 (月) 井草高校 来校、オリエンテーション、校内案内
12月10日(火) 調理実習
12月11日(水) 書道パフォーマンス鑑賞、ウェルカムセレモニー
12月12日(木) 都主催による行事参加
:東京都の施設見学、能体験ワークショップ
12月13日(金) 茶道体験
12月14日(土) ホームステイ先家族と交流
12月15日(日) 都主催による行事参加:第一回高校生国際会議
12月16日(月) 通学
12月17日(火) フェアウェルランチ

原則として滞在中はバディ生徒の隣に座り、バディの通訳にて一緒に授業を受けて過ごしました。イレギュラーなものとして、英語の授業では自己紹介、国、学校のプレゼンを英語で行い、質疑応答をするクラス交流の場を設けました。また、JETの先生の協力のもと、日本の理解を深めるために、日本をテーマにした講義を行っていただきました。上記のイベントは主に放課後に実施しました。詳細は下記の通りです。

JETの先生による日本についての講義

 留学生を対象にJETの先生が各テーマ1時間ないし2時間で講義・ディスカッションを行いました。扱ったテーマ・内容は「緊急時に役立つ日本語」、「日本の歴史・文化・スポーツ」、「日本で働くこと・生活することの良い点・悪い点」、「日本の地理・気候」、「日本の映画」「日本でのカルチャーショック」です。伝統芸能の紹介から日本の祝日の由来と意味といったFun Factなものまで紹介していました。「カルチャーショックとその対処方法」の時間の際は、互いの経験を共有していましたが、国により見解が異なることがあり、とても興味深かったです。





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調理実習
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放課後に料理研究部の協力を得て、留学生・バディが日本の伝統食である「太巻きずし」と「いなりずし」、そして「吉野鶏のお吸い物」(ベジタリアンは「味噌けんちん汁」)を作りました。ダシのとり方の基本から海苔には裏表があることなど、日本人でも勉強になる実習でした。また、調理実習中ということで、辞書やスマホを使えない環境で生徒は工程や食材の説明を必死に行っていました。大根、ごぼうやかんぴょうといった食材名を英語で言えず、また言えてもどうしてその形状になっているのか等(例えば、かんぴょうなど)の問いに身振り手振りを交えてコミュニケーションをとっていました。班ごとに実食したのち、後片付けまで一緒に行いました。留学生からは、This is my favorite part of my day!という感想をもらいました。

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書道パフォーマンス

 オリンピック・パラリンピック教育推進文化プログラムとして、井草高等学校書道部と博光書道会、プロの音楽家の方を招いた「書道パフォーマンス」を実施しました。
 伝統・文化やいわゆる「クールジャパン」と呼ばれる現代の文化や芸術のすばらしさを、次代を担う子供たちに伝えること、そして日本の文化に対する理解を深め、異なる文化を持つ人々と認め合い、広い視野を持ち、共に生きる態度を育成することが主たる目的です。印毛やヘラで書く「飛白体」や巨大筆による実演や、書道と応援ダンスの融合パフォーマンス、プロの音楽家との生演奏とのコラボパフォーマンス、同じ文字を様々な書体で書きあげるものなど、非常に見ごたえのあるものでした。多くの留学生が、このパフォーマンスを滞在中のハイライトの一つと言っています。上段の写真の五輪と英数字には「飛白体」が使われています。下段は書道と応援ダンスの融合パフォーマンスの様子です。

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ウェルカムセレモニー

生徒司会の下、歓迎会を実施しました。留学生は在校生の前で簡単に自己紹介をしました。在校生は校歌を歌い歓迎の意を表しました。

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茶道体験

茶道部と茶道の先生の協力の下、茶道体験を実施しました。作法に則り、和菓子とお茶を頂くだけでなく、茶器の名前等についても学びました。また、実際にお茶を立てる体験もしました。「正座はしなくてもよい」と説明しましたが、「お茶を飲む時は、正座をする」と言って、果敢に挑戦していました。

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フェアウェルランチ

最終日は、お昼に高校を去ることから、バディと留学生にてフェアウェルランチを催しました。「また日本に来る」、「こちらから会いに行く」と再開の約束をして別れの時となりました。

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